第88話『売っているようで売っていない』



「この台はお客様にとっても遊びやすくて良い台なんですが、いまいち稼働が上がらないんですよね~。」

「どんな台なんですか?」  

「確率は約1/200で、1回の大当り出玉は〇〇〇〇コで、リーチは・・・・・・・・・・」

「お客様にはどのように伝えているのですか?」

「POPに同じようなことを書いて遊びやすさをアピールしています!」

「自信満々で答えてくれましたが、う~ん・・・・まったくやりたくならないです。」


 パチンコホールのお手伝いをするときに、必ずと言っていいほど同じ課題が起こります。

 お店としては良い台だと思っていても、実際に営業で使用してみればすぐに客離れしてしまう。

 ゲーム性や使用の仕方、競合店との兼ね合いによりお客離れの原因はさまざまですが、根本的に欠けているものがあり、言われてみれば当たり前のことなのにやっていないものがあります。


 八百屋さんで2種類の同じようなミカンが売られているとします。

 片方には何も書かれておらず、もう片方には“朝一で仕入れた新鮮なミカン”というPOPがあります。

 さて、どちらが売れるか?


 酒屋さんに何を買うか決めていない段階でお酒を買いに行きました。

 いつも買う焼酎の横に、値段は500円高いが蔵元のお酒造りに対するこだわり、飲んだときの飲み口、飲み方が紹介されているチラシがありました。

 さて、何を感じるか?


 新鮮なミカンPOPとお酒のチラシで買いたくなるというのは、お客様が動機づけされた状態です。

 日常でもいろんなところで目にします。


 駅できれいな紅葉の旅行ポスターを見た時に、きれいな紅葉を見たいという気持ちが起れば、何かしらの動機づけが自分の中に起っています。

 動機づけとは、買いたくなる・行きたくなる理由で、それは“頭の中で価値ある体験というコト”をイメージするものです。


 パチンコ台を並べて、「さあ遊んでください!」と言われても、何も欲求喚起されていなければ興味も関心も湧きません。

 既存のユーザーは自分なりの判断基準を持っているので、欲求喚起されなくても遊んでくれますが、新たな価値という差別化が無ければ自分の判断基準だけで終わってしまいます。
 先ほどの焼酎の例を参考にすれば、別の商品を購入するというのは、新たな価値を知り、新たな判断基準の動機づけを学ぶから別の商品の購買意欲が高まるという結果によるものです。

 これは他業種も同じことです。


 「うちのお店の商品は品質にこだわっていて他社のものよりも良いのに売れない」

 この場合は、品質が良いという商品説明をしたとしても、お客様が何も感じなければそれは売っていないのと同じです。

 売るというのは“買いたくなる”ようにすることです。

 買いたくなるようにしていないということは、売っているようで売っていないことになります。

 お店に商品を並べて、それで売っていると思い込んでいるうちはどんなに良い商品であったとしても売れません。

 商品が売れるのは、お客様が買いたくなった時です。

 自分が買い手のときには、当たり前のようにそれを感じているのに、売り手になると販売の本質が見えなくなってしまう。


 パチンコホールの方に、

「好きな台とか機種はありますか?」

「〇〇〇という台が好きです!」

「どんなところが好きなんですか?」

「画面が止まるときの出目で良いか悪いかの判断をするんですが(オカルト)、自分なりの予想がけっこう当たるので、それが楽しみの一つであり、運試し的な遊び方ができるんですよね~」

「なんだか楽しそうですね。けど、さっきの台の説明よりもその台をやってみたいという気になりました!」

「えっ?なんでですか?」

「楽しそうに話しているのを見て、本当に楽しいんだろうなと感じたのと、その台でそんな楽しみ方ができたなんて知らなかったので興味もわきました!お客様にもそのようにお伝えしたらどうですか。」


 顧客創造というのは、今まで興味も関心も無かったお客様に自社の商品やサービスを通じて素晴らしい体験ができたり、新たな価値を手に入れられるということを伝えて実感して頂くことです。


 物販をしている業種は、この欲求喚起をとても追求しています。

 欲求喚起されなければ売れないから当然のことです。

 商品やサービスを提供する場合は、この視点によってお客様に新たな価値を知って頂くことで欲求喚起するという動機づけが出発点になります。

 そして、そこからリピートやリピート深化、顧客維持の取組みを緻密にしていき、小さな良い体験というものを積み重ねていくコト価値を提供していきます。


 売っているつもり・・・・になっているものは今からすぐに見直してみることです。


■既存の営業施策を顧客が得る価値視点で見直すことで、何気なく実施していた施策が新規獲得やリピート率の向上につながります。
更に、『顧客体験価値』創造戦略では、顧客の価値から思考する方法で新しい差別化を生み出す施策を考えていきます。

他社との差別化が難しいとお考えの場合は、ぜひ一度ご相談ください。
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