第86話『コト生み実践の為に思い込みを排除する』



 『戦闘力=武器効率×兵力数』は、私がインストラクターをしているランチェスター戦略の中にある“ランチェスター第一法則”の結論式です。

 第二法則では兵力数が2乗されます。

 この式をビジネスに応用すると、戦闘力は“販売力や営業力”、武器効率は“質的要素”、兵力数は“量的要素”ということになります。


 このランチェスター法則から導き出されることは、

・武器効率が同じ場合、常に兵力数が多いものが有利になる

・第二法則下では兵力数が勝敗の決め手となる

・小が大に勝つためには、第一法則下で武器効率を上げて兵力を集中させること

 特に3番目の『小が大に勝つためには』という部分が、どのように勝ち抜いていくかの戦略の基本になります。

 武器の質が悪く、兵力数が少なければ勝てるわけがありません。

 よって、兵力数を集中させるというのは、狭い範囲や小さく分けた部分で兵力数が勝る状況にして差別化された武器で戦うというものです。

 そして、細分化したものを1つずつ各個撃破してシェア(顧客支持)を高めていくことを目指します。


 『顧客体験価値』創造戦略(コト生み戦略)は、あらゆる活動の武器効率(質)を高めて、活動量という兵力数を他社が真似できないレベルで行う差別化戦略です。

 ランチェスター戦略では、1位以外は弱者という位置づけです。そして、弱者は『差別化戦略』で強者は『ミート戦略』が基本戦略となります。


 今回は理屈から入ってしまいましたが、厳しい競争環境の中でお客様から支持される経営を目指すのであれば、基本的なことを踏まえたうえで“思い込み”の点検と排除をする必要性を書きます。


 武器効率(質)が高いつもりという思い込みで戦えば、勝てる戦いも負けてしまいます。

 差別化というのは、お客様が提供される価値を感じている状態であり、それが他社よりも優れている状態です。

 商品の質・サービスの質・人材の質・活動の質など、お客様が関わる場面で他社よりも優れた状態になっているかを点検する必要があります。

 当たり前のことですが、この点検は自分視点ではありません。お客様がどのように感じているかの視点です。


 “思い込み”というのは、良いコトをしているというつもりになっている思い込みです。

 思い込みでは武器効率(質)は上がりません。もしくは、せっかく努力している施策であったとしてもお客様が提供する価値を感じていなければ成果につがなりません。

 『顧客体験価値』創造戦略(コト生み)の中に、提供している価値をチェックする方法と、提供したい価値を生み出す方法があります。

 このチェック方法を使うと、差別化価値だと思い込んでいるものが、実際には差別化になっていないということに気付いたり、そもそもどのような価値を提供するかというものが無かったり共有されていなかったりということが点検できます。


 「うちはこんなに良いコトをやっているんだから」


 せっかく良いコトをやっているのであれば、『やっている≠価値を提供している』とは限らないことを省みて、武器効率を高めて成果を生み出すレベルにするべきです。

 笑顔で接客をするお店も沢山あります。(これは素晴らしいコトだと思います)

 しかし、その笑顔がお客様にどのような価値を提供するのかという価値目標によって、笑顔(表情)が変わります。

 笑顔だけを訓練すれば、せっかく良い施策も作り笑顔というものになったり・・・・。

 相手を大切に想う笑顔は、柔らかい表情の優しい笑顔になります。

 差別化されているという思い込みを点検して、排除するべきものは思い込みそのものです。


 思い込みは質の向上をストップさせます。

 もっと良い方法ややり方は無いかという向上心は、やれているという思い込み一つで台無しになります。

 思い込みにより活動が停滞する会社と、思い込みを排除して更により良く探求して実践する会社では提供する価値のレベルの差ががどんどん広がります。

 差別化価値を生み出す活動を探求して実践することでお客様の気持ちをつかむことができれば、働く人のやりがいにもつながり、更にその活動の累積経験値が向上するという好循環が生まれます。


 経営理論や戦略というものを活かすのは人の役割です。

 自らのビジネスに応用して積み重ねていくことで、知らず知らずのうちに質の高い活動量が増えていきます。

 質の高い活動量が繰り返されることが、お客様から認めて頂くステップであり、業績向上の為の活動になります。

 どれだけ価値を提供する活動があるか。お客様は目指す提供価値を感じているか。

 思い込みを排除して、数ある施策を価値あるものに高めていくことが最初のステップです。


■既存の営業施策を顧客が得る価値視点で見直すことで、何気なく実施していた施策が新規獲得やリピート率の向上につながります。
更に、『顧客体験価値』創造戦略では、顧客の価値から思考する方法で新しい差別化を生み出す施策を考えていきます。

他社との差別化が難しいとお考えの場合は、ぜひ一度ご相談ください。
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