第75話『価値を創造するコト』



理解しているようで理解していないのが“価値”というものです。

時計の価値は、時間を教えてくれることから起こる体験の中にあります。
同じ時間の指針を共有すれば、待ち合わせが出来ます。
電車の時間も分かります。

価値=体験+感情

商品やサービスによって体験が生まれ、その体験が好ましい感情を生み出せば価値が高いというものです。

商品が壊れにくいという体験から、安心という感情に結びつけば品質が価値を持ちます。
美しい装飾を見る体験から、心が癒される感情が起これば美しい装飾の価値が生まれます。

良い価値もあれば、悪い価値もあります。

不愉快な体験をすれば、嫌な感情が起こるので価値が低くなります。というか、マイナスの価値です。


私たちの人生は、体験とそこから生まれる感情の連続です。

言い換えれば、『人生=体験+感情』ともいえます。

人生=体験+感情=価値

人生まで考えると、その時は嫌な体験と感情だったかもしれませんが、後々価値が高かったことも沢山あります。


お客様の人生にとって好ましい価値を提供するには、体験と感情をイメージする必要があります。

お客様に“お役立ち”するから商品やサービスを買って頂けたりリピートして頂けたりします。

お役立ちとは、価値の提供です。

売上=お役立ち=価値提供

ですが、「どんな価値を提供していますか?」という質問に答えられないケースが多いのは何故でしょうか?

もっと言うと、「すみません。聞かれている意味が分かりません。」と言われることもあります。
自分たちが提供している価値が分からないのに、お客様に価値あるものを提供することは可能でしょうか?

実際は、自分たちが価値を知らなくてもお客様が価値を認識しているので可能ですが、意図的に新たな価値を生み出す方法を知らなければ企業競争に負けてしまいます。

市場が成熟してどこでも提供している商品やサービスになれば、簡単に価格競争に陥る。
他社と違う特別な価値が提供されなければ、選ばれることも減っていきます。

他社よりも優れた価値を提供することが本来の『差別化価値』です。
差別化というのも、そこに価値があって成り立つものです。


商品やサービスによって、お客様が体験する場面は違います。

洋服を買うのは、買う時が体験の本番ではありません。それを着て出かけるときです。

遊園地はその時が本番の体験になります。

お客様の人生の1ページに、どんなエピソードという体験を提供できるのか?

自社の事業は、お客様にとってどのような体験を価値あるものとして提供しているのか?

お店が汚くて安いだけの居酒屋チェーン店は、どのような体験と価値を提供したいのか?


自社の状況を“価値”という視点で客観的に見てみる必要があります。

ここで多様性という課題が生まれてきます。

成熟後期や衰退期は、基本的な価値は提供していてお客様も認識しているので、個々への対応というものになっていきます。(BtoCの場合)

通販などはこれを仕組みとして実施できますが、リアル店舗などの商売では見えにくいものでもあります。(実際には簡単にやれることですが)


効率思考のできる人は、ここでも思考の罠に陥ります。
マニュアルやオペレーションのシステムで解決しようとします。

作業マニュアルや接客マニュアルというものは、別の目的で必要なものです。

仕事の基本を教えるものであって、目的が違えば使い方も違います。

『顧客体験価値』創造戦略でもマニュアルを作るのですが、これは“価値マニュアル”というものを作成します。

どのような価値を感じて、それはどのような体験からなのか。その為の基本的な行動はどのようなものか。

価値目標が無ければ、これは作成することができません。

通常のマニュアルでは生み出せない価値をどのような方法で生み出すか?
これが差別化価値を提供する要になります。


多様なニーズに対応するという発想がスタートになるから罠に陥る。
(これがいけないのではなく、この視点だけだと罠に陥るというものです)
これに対応しようとするから、どんどん自社のウリを無くしていく。


自社の事業を通じて提供できる価値は、そもそも範囲があります。

自社の本業によって、どのような顧客サポートが可能なのか?

多様性という言葉に踊らされずに、事業の存在意義を振り返ってみれば、根本的なものが欠けていたことに気付けると思います。

本業の商品やサービスはどのようなもので、それらを通じてお客様にどのような価値を提供していくのか?

事業の存在意義=事業の価値

お客様にとって、社会にとって価値あるものだからこそ存在する意義があります。


誰もがやれたお客様の絶対数が多かった成熟期から、需給バランスを崩した衰退期というのは、価値を追求してより高みを目指す人にとっては差別化価値を生み出しやすいチャンスです。

なかなか成果が出ずにへこたれている人と勝負するのと、イケイケの人と勝負するのでは前者の方が楽に勝てます。

成果の出にくい時代だからこそ、価値で勝ちに行く機会です。

『顧客体験価値』創造戦略は、顧客価値を中心に活動や組織を再構築していくものです。

ご興味あれば、ホームページからお気軽にお問合せ下さい。