第74話『再現性の罠に陥る思考』



同じようにやっているのに、どうして好ましい成果が生まれないのか?

商売で再現性を高めるというのは、環境やタイミング・お客様の抱える問題や課題などの背景が違うので、なかなか難しいものです。

何を再現したいのかにもよりますが、以前のパターン通りにいかないことだらけです。

誤解を恐れずに書かせて頂きますが、とかく頭の良い人は再現性の罠に陥りがちで、頭で考えない人はセンスで再現性を果たします。

頭が良い人が悪いというものではありません。


知識や技術、様々なフレームワークというのは重要なことですが、そこに『心』というものが入らないと罠に陥ります。


何故かというと、再現したいことは“お客様の心”にあるからです。


『売り手のときは一生懸命に頭で考え、買い手のときは自然と心で感じる』というもので、頭で考えない人は心で感じてセンスで売っている場合があり、この場合だと部下への指導で再現性が果たせなくなります。

No.1営業マンや人気のスタッフは、お客様の気持ちを心で感じて対応します。

よって、このような優秀な人たちの真似をするというのは、頭で考えることでは無く心で感じる部分なのですが、目に見えないのでよくわかりません。


面白いもので、自分が買い手の時は『心で感じている』のに、仕事として売り手になると『頭で考える』ことが出発点になります。

再現性の罠というのは、本来は心で感じるものを、頭で考えて再現しようとする時に起ります。

買い手の心に同じような感情を生み出すには、自分が嬉しかったことなどの感情を思い出して、それをカタチにするには?というステップで考える必要があります。


何度か書いていますが、

「数値目標を決めたとき、次に考えることは何ですか?」

という質問を頻繁にします。

このコラムや私のブログをお読みいただいている方は答えをご存じだと思いますが。

今のところ・・・質問に対して100%の方が、「やることを考える(どうやるか)」と答えて下さります。

(コラムやブログを読んで答えを知っている方は省いています)


数値目標を120%に設定したら、普通は『どうやるか』を考える。何の疑問も持たないと思います。

しかし、事業は価値の提供なので、20%増を果たすには価値を伝えて購入してくれるお客様を増やすか、更なる価値でリピート購入していただくか。もしくは価値を更に高めて単価を上げるか。

数値目標の後に考えることは、どのような価値でその数値を実現していくかです。


価値というのは、『〇〇+〇〇』・・・・出し惜しみはやめておきます。

価値=体験+感情

商売においての再現性というのは、お客様の心にどのような体験と感情を生み出すかという“価値目標”が無ければ、目標が無いのにやることは決められません。

価値という目標が無い状態で、同じ成果を再現しようとするから再現できない思考の罠に陥ります。

お客様の嬉しいを再現するには?

どんな体験と感情が生まれた時に『嬉しい』になるのか?

これは自分の心に問い、頭でイメージする必要があります。

同じようなシチュエーションを思い出した時に、ムカつくとか・楽しいなどの気持ちを思い出します。


「良い接客をやっているお店があるから真似しよう!」

やらないよりは良いのかもしれませんが、どんな価値を提供するかという目標が無いのに真似すれば、無表情の形だけの接客になりかねません。(そうなっているところは沢山あります)

他社様に電話をして、用事のある先方の担当者の方につなげて頂くときに、電話に出られた方に会ってみたいと感じるときがあります。(声が可愛いとかではありません)

話し方を真似しても再現性は生み出せません。

心の状態と相手の価値を無意識にでも察しているから、心地よい電話になっていると感じます。

イメージして、心で感じてみる。


価値目標が無い状態で数字を上げる方法を頭で考え続けていても、再現性の罠にハマってしまい答えが出なくなります。(これがアイデア立案を苦痛に導くものです)

お客様の立場にたってというのは、心で感じるコトです。

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