第62話『アイデアが生まれない思考のクセ』



「数値目標に向けて、次に考えることは何でしょうか?」

「何をやるかです」

「えっ、いきなり何をやるか考えるのでしょうか?」

「・・・何のためにかな」

「おっ!良いですね~。それももちろん必要です。何のためにやるのですか?」

「え~・・・数字を達成するために・・・」

「なんか戻っちゃいましたね。」


目的(何の為)や目標(到達したいところ)というのは当たり前のように使われている言葉ですが、なかなか共有できていないもののようです。

企業の場合、お客様に商品やサービスを通じて喜んで(大きな意味で)頂くことが目的です。

目標は、大きく分けるとお客様視点と会社視点があります。(細かく分ければ社会の視点・働く人の視点もあります)

お客様の視点であれば、お客様が喜ぶという価値を実感している状態です。

それが会社視点の数値目標として数字の結果になります。


ということは、数値目標を達成するための目的はお客様に喜んで頂くことで、それを実現するお客様に対する成果目標が、喜びという価値を手に入れて実感している状態です。


冒頭の会話ですが、お客様視点が抜けているものです。

お客様視点を無視して、やることを考えても提供する価値という目標が無いのでアイデアが浮かんできません。

お客様が便利だと思うものと、お客様が楽しいと思うものでは、『やること』が異なります。

数値目標からいきなりやることを考えることが、@『アイデアが生まれない思考のクセ』になっています。


『顧客体験価値』創造戦略では、提供コンセプトから出発します。

ヒットしている商品を見ると、しっかりとしたコンセプトがあります。

アキレスの『瞬足』は、そのコンセプトを読むと心がキュッ!となります。(私は)

そして、そのコンセプトを実現している時のお客様の価値を考えます。

コンセプトはどのようなことを提供したい、解決したいというもので、それをお客様が実現した時にどのように感じるかが価値です。

次に、それをどのような体験で感じるか。

ここまで来て、その体験を提供するために『何をやるか』を考える。


アイデア出しが苦痛だったお客様が、アイデアがいくらでも出てくるという感想を話していました。


『何をやるか』は大切なことですが、数値目標だけ作って部下に『何をやるか』を考えさせると、なかなか良いものが生まれてきません。

これがアイデアが生まれない思考のクセで、多くの方がはまってしまいます。


少しだけステップを間に挟むと、今まで会議も難しい顔をしてやっていたものが、活発になっていきます。