第60話『価値に社内体制を合わせる』



「うちの組織体制では、その価値を提供することはできません。・・・その価値を提供する仕事を増やすと、当然ですが人員数を増やしたり仕事の量を増やすことになるので、良い視点なのは分かっていますが現実的ではないですね。」

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新たな価値を創造していくときには、新しい取組みが必要になります。

今までやっていたことを工夫して修正するだけならいいのですが、抜本的に組織の体制を変える必要があることもあります。

現場で働く人が若干の行動を変えるだけであれば問題ありませんが、根本的な体制を変える場合はここで社内の問題が発生します。


人員配置の変更やマニュアルの変更、新しいことを浸透させる教育やチームの作り方などの組織改革まで広がる場合もあります。

そうなってくると、残念ながら新しい価値を生み出す改革が徐々にトーンダウンしていきます。

確かに、組織改革まで必要となる場合は、越えなければならないさまざまな障害が発生します。

しかし、改革がとん挫するケースというのはお客様の為の組織ではなく、働く人の都合に合わせた組織になっていくときです。


企業の存在意義はどこにあるのか?

働く人のためにあるのか、お客様のためにあるのか?

雇用するというのも企業の存在意義の大切な要素ですが、根本はお客様にとって存在意義がなければ事業は成り立ちません。

時代が変化すれば、お客様へ提供する価値も変化していきます。

提供する価値が現状の体制で実現できないのであれば、その提供する価値に合わせて組織を改革していくことが正しい道になります。

活性化しない企業というのは、働く人たちが自分たちの為の組織にしていきます。

本来のお客様に価値を提供するための組織ではありません。


現状の延長線でやれることなら良いのですが、顧客体験価値の視点から発想すると多くの改革が必要になってきます。

そんな時に思い出して頂きたいことは、会社の存在意義はお客様や社会の為に存在すること。
働く人は、それを共に実現する仲間です。

その為に変化し続けることが大切だということを。

そこが出発点になっていれば、どのように新しい価値を提供するために体制を変えていくのかという道筋が立っていきます。


サッカーでも、ラグビーでも、バレーボールでも野球でも。

勝利の為にメンバーやフォーメーションを変更するのは当然のことです。

企業がこれをやれなければ、時代に取り残されるのは必須です。