第59話『お客様にとって特別な企業』



“お客様に価値を提供する”というのは事業の鉄則です。

同じような価値を複数の会社が提供しているのであれば、『品質・価格・その他サービス』という総合的な判断で取捨選択が為されます。

クライアント企業様へは、しつこいくらいお伝えしますが、市場のライフサイクルと人口動態という背景を無視して戦略を練ることはできません。

多くの業界が同業他社の飽和状態で、すでに衰退(市場縮小)している業界もあります。


企業が選択する方向性としては、新たな成長分野へ参入して自社の核となる事業を育てていくか、市場縮小の中で選ばれる(生き残る)企業を目指していくか。

もしくは、今までのビジネスモデルを転換して、新たな市場開拓を行うか。

(もちろん海外展開という選択もあります)

日本国内での企業競争は更に激しさを増していきます。


中小企業が良い商品やサービスを開発して提供すれば、大手企業は無節操にその市場に類似品で参入してきます。これも競争原理からすれば仕方ないことですが、独自開発する力を失っているから生き残るために無節操なことをやるわけですが・・・・。これに文句を言っても、中小企業は生き残れません。
(無節操と表現していますが、この繰り返しが企業の切磋琢磨する力になり、自社の力になっていくことは間違いありません。競争が起こらない市場というのは、お客様から見放されることもあります)


そこで、中小企業は自分のフィールドの中でレア企業を目指す必要がります。

商品やサービスが切磋琢磨され、優勝劣敗のスピードが加速する中では、『特別な何か』が無ければすぐに価格競争に巻き込まれます。

市場を大きく捉えると、価格重視のお客様のパイが大きいかもしれませんが、そうでないお客様も存在します。そのお客様のボリュームが自社の規模から見て大きいものであれば、その細分化した市場でレア企業を目指す方向性を描きます。


個々の人材も、レア人材と普通の人材で待遇が変わるのは当然です。

「どうやってレア企業を目指せば良いのでしょうか?」

当然ですが、このような質問が出てきます。

「今の商品やサービスを通じて、お客様にどのような価値ある体験(コト)を生み出していますか?」

ということをお伺いしますが、自社の商品やサービスの品質や内容の良さは説明できても、お客様にとっての価値となると、明確になっていない企業様が多いようです。

「どのような顧客体験価値を提供するかを考えないと、具体的な行動は見えてきません」

どのようにレア企業を目指すかは、お客様にとって他社では得られないものを提供するという当たり前のことです。

差別化は、商品やサービス・地域・顧客層などで考えるのが一般的ですが、これらを絞り込んでもなかなか難しいものです。
究極のところでは企業の存在意義である“理念”によるものから生み出される差別化が、他社が真似できないものになっていくものです。

そんなことは分かっていると言われそうですが、『分かっていること・知っていること』と、『やれること・やっていること』は違います。

そこで、もう少し段階を下げて、事業での存在意義から考えていきます。
これは『顧客体験価値』創造戦略の根本的な鍵になるものです。

更に段階を下げて商品やサービスに関わる顧客体験価値。

家庭だろうが組織だろうが、自分の行動を通じてどのような(体験価値)コトを生み出したいか?

この質問に対する答えと、それを実現するための行動の積み重ねによって、レア企業への道が見えてきます。


普段からの自分の言葉・表情・態度・行動は何を生み出しているか?

生み出しているコトを認識することがレア企業への第一歩です。