第53話『変化を生み出すコト』



「ある取組みを決めても、なかなか徹底されないんです。そのうち、なし崩しになり元に戻ってしまうんです。」

ありがちなことです。

社内ルールやお客様への取り組みなどで、新しい変化を生み出すために決めたことが、すぐに実行されなかったり、期待しているレベルでやれないうちに、いつの間にかその取組が無くなってしまう。


普通は、何のためにやるのか?という目的が明確でないから、働く人が新しい取組みをやる動機が分からずに実施されなくなる・・・・・・という本に書かれているようなことを、まことしやかに言う人もいますが、本当にそうなのでしょうか?


何かをするにあたって、目的は重要です。

目的地が無ければ、そこには到達しません。

人が新しい行動をするときは、目的や目標があって、それに到達するためにどうやるかのやり方が生まれるので大切なことです。


目的や目標を明確にして、やり方を明確にしても為されないのは何故かを考える必要があります。


新しい取組みを浸透させていく方法はいろいろあるのですが、根本的には『行動と心の状態』を一致させることが必要です。

例えば、人を思いやる行動というのは、形にすると“丁寧に接する・音を立てない・笑顔で接する・・・・”など、いろいろあります。

接客でも、形を教育します。

形から入ることは間違いではありませんが、そこには出発点とする心の状態がどのようなものかを教えることが無ければ、形だけのものは形骸化されていきます。

目的も目標も明確で、行動という形はある。


しかし、継続して為されないのは行動そのものへの動機と、どのような心の状態でやることかが分からないから。

「思いやりを持って接しましょう!」

掛け声としては大切ですが、この言葉では実行されません。


思いやりを持つとは、どのような心の状態の時か?

新しく好ましいコトという変化を生み出すには、形をきっかけにして心の状態を一致させるところまでがセットです。

思いやりを持つというのは、対象を『大切な存在』とする心の状態が思いやりを持って接する出発点です。

大切なものは丁寧に扱います。大事にします。


これが応用できれば、あらゆるものへの行動が変化するので、いろんな場面で変化を生み出すコトが可能になっていきます。

良い接客やサービスというのは、誰もが目指していると思いますが、これを実現することができる組織と、そうでない組織のちょっとした違いは、心の状態を指導しているかという点にあります。

お客様をどのような存在として見ているか?

大切な存在としていれば、自ずと行動が変化していきます。