第287回『お客様が買っているものは?』



<今日のポイント>

 お客様が買っているのは、お客様にとっての価値。

 お客様にとっての価値を提案して届けなければ自社を選んで頂けません。

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 どんなに良い商品やサービスを提供していたとしても、お客様に知ってもらわなければ選ばれません。

 今回のコラムでは、商売の基本である『価値』について書いております。

 自社や自店の差別化を考える上でも基本を深堀して考えることは大切です。

 ぜひお時間を作ってお読み頂ければ幸いです。

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 先日、あるセミナーの懇親会が友人の行きつけのお店でした。

 何でも美味しいと思える私でも、他とは違うレベルの繊細さというか美味しさを感じさせてくれる素晴らしいお店でした。

 中でも秋田の食材など、この歳になっても知らないものを出して頂き、仲間と共に楽しく美味しい時間となりました。

 食事やお酒にお金を払っていますが、根本的にはここで得られる体験価値に対しての対価になります。

 懇親会ができるという体験価値。

 食事やお酒が美味しいという体験価値。

 他店とは違う差別化された価値があるお店でした。


 モノ消費やコト消費という表現がありますが、根本的に商売として売っているもの、お客様が買っているものは【お客様にとっての価値】というものになります。

 これは、モノが無ければ得られない価値、モノが無くても得られる価値があります。

 基本は何かの体験と価値を得るために、モノやサービスが存在しているということになります。


 私の自家用車は7人乗りのミニバンです。

 家族5人が快適に旅行や移動が出来るという体験価値のためにミニバンを選びました。

 子供が小さな頃は長距離移動で寝てしまうので、快適な空間という体験価値が得られます。


 世の中のモノやサービス全てを紹介するわけにはいきませんが、体験価値というものが特別なものではなく、基本的には人の中に存在する価値は何かしらの体験を通じて感じるものになります。 

 「良さが分からなければ買う気がしない」

 「どんな価値が得られるか分からなければ利用しない」

 「他社と比べて自分にとっての価値が高くなければ選ばない」

 自社や自店の商売が、どんな価値を売っているのか?

 これはお客様に対しての価値提案の仕方と、価値を一致させることが大切です。


 まずは打ち出し方がお客様の心に響かなければ、せっかく良い価値を提供していても買いたくはなりません。

 キャッチコピーや利用時の体験をイメージできる提案が重要なのは、『価値が届かなければ買いたくならない』からです。

 力説するまでもなく当然のことですが、これが案外出来ていないケースが多々あります。

 打ち出し方は良くても、お客様がイメージした期待価値とは違う(劣る)場合はリピートしなくなります。

 居酒屋などでは良くあるコトですが、メニューの写真とまったっく違う料理が出てきたり、写真よりもしょぼいものだったり。

 逆もしかりで、居酒屋なので過度な接客などは期待していませんが、期待以上に気遣いや応対が良かったりすると繰り返し利用したいお店になります。

 これも全て体験価値になります。


 「顧客視点」「お客様目線」「お客様の立場にたって」という言葉は誰でも知っています。

 知っている言葉ほど省みないと『自分は出来ている“つもり”』になってしまいます。

 お客様は何かしらの価値を買っているわけで、自社や自店の商品やサービスがお客様から見て価値を感じるようになっているか?

 この視点で見ていくことは“訓練”が必要です。

 日常から“訓練”することで、仕事の場面でもお客様の立場にたって考える習慣が身に付いていきます。

 この視点が習慣になると、『気遣い』『先取り』『思いやり』・・・などの求めるコトを察する力になります。

 求めるコトを察する力があるからこそ、価値提案や価値提供するべき内容も見えてきます。

 大事なことを書き忘れていましたが、そもそも【価値】とはどんなコトか?

 お客様が潜在的にも顕在的にも求めるコトや望むコトを満たす対象に対して感じるもので、【感情を満たす】コトが価値になります。

 よく切れる包丁というメリット。

 その包丁で食材を活かした美味しい料理が出来るというベネフィット。

 これらは、美味しい料理を食べてもらい喜んで欲しいという求めるコト(体験価値の提供)を実現するために必要なモノが、よく切れる包丁ということになります。

 【価値】という、またまた当たり前に知っている言葉ですが、深堀して考えるべき言葉です。

 自分が消費者の場合は、感覚的に瞬間的にプラスの価値やマイナスの価値を感じたりしています。

 不愉快になるときは、求めることと逆になるマイナスの体験価値を受け取ってしまったときです。

 お客様が買っているものは何か?

 自社や自店のファンを増やすには、お客様は【価値】を買っているという認識が重要です。