第272回『お客様の体験と価値に焦点を合わせる』



<今日のポイント>

 商品やサービスを通じてお客様に選ばれるには、お客様の体験と価値に焦点を合わせることが必須です。

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 自社や自店、商品やサービスは、お客様にとって『何のため?』に存在しているのか。

 お客様の求めるコトや必要とするコトを満たすためには、満たすための価値がなければ選ばれることはありません。

 今回のコラムでは、自社の差別化を目指す上で欠かせない視点について書いております。

 ぜひお時間を作ってお読み頂ければ幸いです。

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 世の中にはいろんな商売があります。

 商売とは、お客様にとって価値ある商品やサービスを提供してお金を頂くものです。

 モノが不足していた時代では、そのモノを手に入れることで解決できる価値がシンプルでしたが、モノ視点かといえばそうではありません。

 洗濯機は服を洗うモノですが、洗濯板を使うよりも時間も労力もかからないし、セットしてスタートすれば勝手に洗い上げてくれるという、コト視点の体験と価値があります。

 洗濯機が世の中に行きわたると、コモディティ化(特別感が無くなる)が起こるので、更なる体験と価値を提供するための機能などで差別化していきます。

 昔は洗濯槽と脱水が別々だったのが、今は全自動になっています。

 簡単で便利につながる体験価値(コト)を売っている商品(モノ)ということになります。



 コト視点を特別なものとして捉える必要はなく、根本はお客様の体験価値のためにモノがあると考えるべきです。

 もちろん、お客様に体験価値を届けるために、どんなモノが良いかというモノの視点も必要です。

 しかし、モノから考えても、「この商品をどのような役に立ててもらえるか?」という体験価値視点で考えて価値提案しなければ購入してもらえません。(シーズの発想です)



 先日、駅の催事販売でチーズケーキを買って帰りました。

 美味しいというのも体験価値になります。

 それよりも、私にとってこのチーズケーキを買う価値は別の体験価値があり、家族と楽しくケーキを食べるという体験価値に対してのものです。


 末娘の「おいしい~♪」

 という価値ある体験を実現してくれた商品です。

 商品やサービスにおいては、根本的な目的となる価値があります。

 居酒屋であれば、料理がまずくないことが前提です。

 そこからは、お客様が居酒屋を使う目的によって、どのような体験価値を準備して届けるかには、現在でも無限の可能性があります。

 お客様の体験と価値に焦点を合わせ、さまざまなタイプの想定をすることで、価値あるお店として利用されるお店作りが可能になります。


 どんな体験で、どんな価値を感じ、どんな気持ちになって欲しいか?


 顧客視点というものは、分かっているようで分かっていないという前提で、思考するフレームワークや仕組みを作る必要があります。

 顧客視点の思考習慣がついてしまえば、社内のアイデアや議論も活発になり、実際に価値ある体験として商品やサービスを開発したり高めたりしていけます。


 身近なことでは、自分の発するコト(言葉・表情・態度・行動・姿勢)が周囲にどのような体験と価値を届けているのかを、普段から省みていく方法があります。

 自分はやっている『つもり』ではなく、実際にどんな体験価値が届いているのかです。

 良い価値を届けるコトは、全て自分の魅力になっていきます。

 企業でも、良い価値を届けるコトは、企業の魅力になります。

 自社の商売を通じて、どんな体験と価値が届けられるか。


 体験と価値に焦点を合わせると、別の使い方や利用の仕方という、商品やサービス提案における新発想も生まれてきます。