第262回『小が大に勝つ三原則』



<今日のポイント>

 小が大と同じことをして勝てるわけがありません。

 勝つためには、小が勝つための理論を知り、実践することが求められます。

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 ビジネスは競合他社とのお客様喜ばせ競争です。

 自社よりもシェアの大きい競合他社と戦うには、小は大に勝つための方法を知り、実践しなければお客様に自社を選んで頂くことは叶いません。

 今回のコラムでは、ランチェスター戦略の前提となる、ランチェスター法則から導き出される小が大に勝つための三原則について書いております。

 ぜひお時間を作ってお読み頂ければ幸いです。

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 はじめにお伝えさせて頂きますが、武内臣介はNPO法人ランチェスター協会の正式なインストラクターです。

 独学で学び始め、師に学び、正式なランチェスター協会で学んび、実践での活用は15年ほどになります。

 インストラクターとしては10年の活動で、ここまでも、今でも戦略系のコンサルティングでは、ランチェスター戦略を土台に差別化価値をつくる“コト視点の価値づくり”で実践成果を出していくお手伝いをしております。

 小が大に勝ち、弱者逆転していくには、小が大に勝つための理論をビジネスに応用していく必要があります。

 シェアが2位や3位という、1位に負けている状態からの弱者逆転というのは、決して簡単なことではありませんが、世の中を見渡せばそれを実現している企業様や実践事例は沢山あります。

 机上の空論ではない、多くの企業様が実践してきたランチェスター戦略を自社で実践してマスターしていくと、自社の置かれた環境でどうすればいいかが見えてきます。

 勝ち方の原則が分からなければ、あたふたと闇雲に施策を無駄に重ねるだけでなく、挙句の果てには気合と根性が足りないなどとなってしまいます。


 “コト視点の価値づくり”では、ビジネスの基本である価値づくりと価値提供を、お客様が体験する価値視点で差別化価値を作りますが、ランチェスター戦略の基本が分からなければ、差別化価値という武器であり、高い武器性能が活かせなくなってしまいます。

 お客様に支持されている強みはあっても、自社で活かせないとか、強者に勝てない方法で使ってしまうということもあります。

 そこで、ランチェスター戦略の基本中の基本である、ランチェスター法則と、そこから導き出される勝ち方の原則をお伝えさせて頂きます。

(詳しく学ぶには、協会関係の書籍やセミナー・研修があります)

 勝ち方の原則について、できるだけ平易に説明させて頂きます。

 ランチェスター法則には、第一法則と第二法則があります。

 簡単に言うと、第一法則は刀での1対1のような近接した『一騎打ち戦・局地戦・接近戦』の戦い方です。

 第二法則は、機関銃などの確率兵器を用いた『確率戦・広域戦・遠隔戦』などの戦い方です。


 第一法則の公式は、

 戦闘力=武器性能×兵力数

 第二法則の公式は、

 戦闘力=武器性能×兵力数の2乗

 となり、第二法則下では、兵力数の2乗の力が働くので、兵力数が少ない場合は第一法則の戦いに持ち込む必要があります。(公式については書籍などをご覧ください)


 武器性能をビジネスに応用すると、

 質的経営資源や商品力で、細かくとらえると品質や性能、ブランド、人材の活動の質、サービスの質などです。

 いかにお客様にとって価値あるものに高めるかという質の視点です。


 兵力数は、

 量的経営資源や販売力で、細かくとらえると、人材の活動量や製造力、調達力、資本力というものです。

 武器性能が同じであれば、圧倒的な活動量や資本力で攻めていく量の視点です。

 小や弱者は、量では負けてしまうので、基本は第一法則の量が効きにくい戦い方が原則になります。


 当たり前のことですが、負けている状態ということは、武器性能でも劣っているとお客様が感じているので、戦っても勝てない前提が分かっていないと間違った戦略立案をすることになります。

 次に、

 第一法則をビジネスに応用すると、

 部分的な競争や、身近なクチコミ的な競争の場面で、一騎打ち戦(競合が1社など)、局地戦(経営資源を集めて、局地では兵力数を同じか上回る)、接近戦(お客様に近づく戦いで、チラシよりも声掛けの方が近いなど)、応用力が問われる部分になります。

 第二法則では、

 全体的な競争や物量的な競争で、確率戦(量を活かすフルライン)、広域戦(物量や活動量ので広い範囲に)、遠隔戦(効率を高める戦い方で)、こちらに関しては、実際に見受けられる間違ったケースは、弱者が強者と同じ第二法則で戦っているというものです。

 このような前提から、勝ち方の原則が見えてきます。

 大に関しては、勝って当たり前なので第二法則が適用する戦いをすべきとなります。


 では、【小が大に勝つ三原則】です。

1.兵力の多さが効きにくい第一法則で、一騎打ち戦・局地戦・接近戦で戦う。

2.武器性能をお客様視点で高める(自社の自己満足ではダメ)

3.兵力を集中して、部分の勝利を積み重ねる。

 この三原則も、自社が行う商売に応用していく必要があります。


 ランチェスター戦略の基本中の基本をお伝えしましたが、ここから差別化の五大戦法やミート戦略、3つの結論など、勝つための戦略を立案する上で欠かせないものがランチェスター戦略の基本編になります。

 余談ですが、「ランチェスター戦略は使えない」と私自身が言われたことがあります。

 「使えない」と思っている方は別に説得するつもりもありませんが、実際は「使える」し、「使って結果を出してきた」「今も結果をだしている」ものです。

 さらに、多くの企業(上場企業や小さな一人会社から大企業になった会社)が欠かせないものとして活用しているものです。

 競合他社が自社よりも小であり弱者の場合には、ビジネスに貪欲なので活用しているかもしれません。

 弱者の戦略は、強者の油断や遅い変化スピードを自社の勝ちどころと見ています。


 弱者逆転は簡単ではないのですが、それを可能にする基本を知って実践しなければ勝つ戦いはできません。