第242回『“価値づくり”が出来る人材を育成する』
<今日のポイント>
魅力や価値という言葉を理解するからこそ、自社がお客様に選ばれるための価値づくりや魅力づくりが可能になります。
価値づくりが出来なければ、競合他社との差別化もできません。
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お客様に自社を選んで頂くためには、お客様にとって必要とされる価値を提供することが大前提です。
今回は、重要なマーケティングや戦略を実行していくための前提となる“価値づくり”について書いております。
ぜひお時間を作ってお読み頂ければ幸いです。
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“価値づくり”の意味を理解して、自社で再現できる人材を育成していかなければ、お客様に選ばれるための価値を提供できないので、企業競争に負けてしまいます。
ビジネスは、どんな時代になっても競合他社との優勝劣敗の連続です。
同業種だけでなく、異業種などの代替産業との優勝劣敗もあります。
お客様により良い価値を提供して、自社を選んで頂く活動の連続です。
これが企業に課せられた『お役立ち』の方法になります。
企業はお客様に対する『お役立ち』によって、売上を上げていきます。
お役立ちは何によって為されるかと言えば、お客様に対する『価値提供』です。
企業からは『価値提供』で、お客様が必要だと感じれば、価値は魅力的だと感じます。
企業で仕事をする(働く)というのは、そもそも価値提供によるお役立ちをしていくということになります。
よく、ES(従業員満足度)が先かCS(顧客満足度)が先かの議論がありますが、CSのために働いているのに、ESが先なんておかしな話です。
顧客満足度(CS)を高める活動をするために、従業員満足度(ES)を先に高めるという考え方になってしまうのは、仕事を通じた価値提供による“やりがい”を生み出せていない可能性があります。
仕事においての根本的なESは、【お客様に喜んで頂くことに対して、仕事の“やりがい”】を感じることが第一義になります。
それを行うための仕組みや環境づくりも重要ですが、根本的な目的を忘れていては、仕組みや環境づくりの向かう方向もおかしなことになってしまいます。
そこで、必要なのが今回のテーマの『“価値づくり”が出来る人材を育成する』というものになります。
お客様を喜ばせるものが価値提供になりますが、価値が何かわからずに価値づくりはできません。
魅力という言葉も当たり前のように使いますが、この言葉を説明できなければ分かっているとは言えず、応用して再現することもできません。
そして、残念ながら『価値』や『魅力』という言葉を辞書で引いても、間違ってはいませんが、仕事で再現できうる説明にはなっていません。
価値とは、『人が望むコト、求めるコトを満たすことができるモノやコト』というものです。
例えば、喉がカラカラで水が飲みたい(求めるコト)というときの一杯の水(満たすことができるモノ)に、人は価値を感じます。
それと同時に、その一杯の水は魅力的です。
魅力とは、価値ある対象に対して惹きつけられる状態です。
『価値』と『魅力』がどのようなものかが分かるからこそ、お客様に対しての価値提供が可能になります。
さて、ここで更に問題が出てきます。
それは、“価値の言語化”というものになります。
商品であれば言語化は比較的やりやすいのですが、サービス業では表面的な価値の裏に根本的な価値が隠れたりしています。
このコラムで何度も例え話は書いておりますが、これに関しては実際に研修やコンサルティングの場で演習をしながらでないとお伝えしきれないものなので、詳しい話はご容赦くださいませ。(これが書籍であればページ数を割いて書けるのですが・・・)
例えば、表面的な欲求として『カッコ良くなりたい』というものがあります。
望むコト、求めるコトを満たす可能性があるものが価値になるので、美容室・メンズエステ・センスの良い好みの服・・・・という商売が成り立ちます。
実は、『カッコ良くなりたい』という場合、裏というか根本的には別のもっと強い欲求が働いているというのは想像がつくと思います。
『カッコ良くなりたい』というのは、あくまでも根本的に求めることを満たすための手段であって、「○○だからカッコ良くなりたい」の、○○を探ることが重要になります。
この○○を仮説を立てながら探る方法が、弊社オリジナルの“価値づくり”4ステップ思考法で、過去のコラムに例えを書いています。
人の気持ち(嬉しい・楽しい・有難い・面白い・ワクワク・・・・)というものは、何かしらの体験によって変化しますが、その体験の中にある価値が気持ちを作っていくものになります。
この価値の言語化と、4ステップ思考法が分かると、社内での自分の行動も価値あるものに変えていけます。(職場のルールなど、いちいち説明する必要が無くなります)
価値づくりが分かるからこそ、自らも魅力的にしていけます。
価値づくりを全社員やスタッフが出来るからこそ、差別化価値を準備して、現場でも応用していけます。
まずは、自社に価値づくりの方法があるかが重要になります。