第24話『お客様第一主義のヒント』



本質というのは、多くの場合が“当たり前”と感じてしまうものです。

私のセミナー・・・当たり前のことしか言わないので、新鮮味が全くないのですが、この“当たり前”と思う心がすでに落とし穴にはまっています。
(当たり前のことが、実際はやれていないという気付きをしてもらいますが)

ちなみに、今日の内容は、株主第一主義や従業員第一主義だと思う方は読まなくても良いと思います。

『第一』という言葉がつくと、順番や優先順位を考えがちですが、企業の活動というのは『お客様中心』が原則であり本質です。
タイトルはお客様第一主義としていますが。


なぜか?

お客様からしか収益はいただけないからです。

あっ、これも当たり前のことですね。


さて、落とし穴にはまっている場合は、ここで思考停止が始まります。

「当たり前の事しか言わないね~」

知っている言葉・聞いたことあることは、深堀しないで思考停止しがちです。


多くの企業が、お客様第一主義や顧客満足を掲げています。

しかし、実際のところはどうでしょうか?


先日、地元の飲食店に行ったときのことです。

チェーン店ですが、顧客満足のコツを知っている会社だな~と感じました。

当日はコースでしたが、コースの流れの中に、“嬉しいコト”という『コト生み』の仕掛けがたくさんありました。

ちょっとしたことばかりです。どんな飲食店もすぐにやれることばかり。

食べ方などの説明が、スマートだが優しさを感じる。

手で食べる揚げ物が出た後は、さりげなくおしぼりを交換しにくる。

鍋はIHを使ったものだが、竹のかごに紙(水を通さないもの)の変わった鍋で、ちょっとしたサプライズ。

などなど、これも“当たり前”のことと言えばそうですが、お客様主体で物事を見ているので、『何を感じているか?』という顧客の体験にフォーカスしていると感じました。

どんな顧客体験をしてほしいかで、何をやるかが決まります。
お客様中心に考えるとは、このようなことです。

(正直申し上げますと、もっとやれるお店なので少しもったいない)


顧客満足を高めるには、『顧客の中でどんな体験が起こしたいか?』というものを、“その体験を生み出す『コト生み』の行動にする”必要があります。

お客様アンケートでも、満足度を聞くものが多いのですが、本当にお客様中心主義をうたっているのであれば、『どんな体験をしたか?』を聞いた方が良いです。

これが、お客様の中にどんな『コトが生み出された』のかになります。


7~8年前に、追突事故をされたことがあります。

停車中の追突なので、責任は10対0で相手の責任です。

ただ、保険がからむ事故に遭遇したのが初めてで、どうすれば良いか分かりませんでした。

そこで、自分が入っている自動車保険の会社に聞いてみることにしたのですが・・・・・。

「ちょっと聞きたいのですが、追突されたのですが、この後どうすれば良いのでしょうか?」

細かいやり取りは覚えていませんが、全部相手の責任ということが分かると・・・・

「今回、うちは関係ありませんから・・・」
(なんか、早く電話を切りたそうな感じで)

こんな対応でした。

確かに理屈は分かりますが・・・・・。

保険料のサービスとは違うことを相談しているので、本当に理屈は分かりますが・・・・

かなり腹が立ちました。

これ、腹が立つ『コトを生み出す』というコト生みをしています。


お客様中心主義やお客様第一主義のヒントは、相手が自分たちの商品やサービスを通じて、どんな体験をしているかを考えることです。

悪い例は、上記の『腹が立つ』ことを知らず知らずのうちに体験させている。

私が腹が立ったのは、保険対応のルールの問題ではなく、『言い方』の問題です。


良い例は、先日の飲食店の、ちょっとした嬉しいコトの積み重ね。

嬉しいコト・楽しいコト・・・・・いろんなコトという体験があります。

顧客満足というのは、この体験というコト生みの結果です。


体験というコトを中心に、企業活動を組み立てること。

これも、当たり前のこと?ですね。


『顧客体験価値』創造戦略(コト生み戦略)は、業績向上の視点だけでなく、人材育成も同じ考え方で実施できるものです。