第138話『1年後に圧倒的な差がつく企業の魅力』


<今日のポイント>

 仕事の意義を見出している人材が多い組織は、新たな価値を活発に生み出していく。
 
 価値を基準にして行動を考える組織と、やることを基準にしている組織では、1年後には提供する価値に圧倒的な差がついてしまう。




 お客様にとっての価値が、その後も選んで頂ける理由になり、会社の魅力になります。

 選ばれる理由を明確にしていなければ、当然ですが届けることはできません。

 また、新規→リピート→ファン化というステップの中で、お客様に届ける価値が変化していくのですが、そのプロセスを知らなければ意図的にファン化への流れが作れません。

 お客様に届ける価値によって働く人が自己の存在意義を感じるときに、仕事そのものに意義を感じます。

 これも、自分の仕事でどんな価値を提供しているのか分からなければ、意義を感じられないものになります。

 今回のコラムは、仕事の意義を明確にし自社の魅力を高められる、コト視点の価値づくりをする思考について書いています。




「良さそうなことは取り入れ、いろいろ挑戦してきているのですが・・・・・、いつの間にか中途半端になって継続しないものも多々あります。スタッフには継続するように言っているのですが・・・・・」

「ちょっと質問をさせて頂きたいのですが、スタッフの方は『何の為』の取組みか理解されていますか?」

「業績を上げるための取組みだということは常々伝えています。」

「最終目標はそうですが、その目標を達成していくにはお客様へのお役立ちが必要で、根本的には企業理念が目的であり『何の為』になります。」

「企業理念も毎日唱和して浸透を図っていますが・・・」

「その目的を果たしていく為の取組みという説明もされていますか?」

「そうですね。基本的にはどんな取組みも理念実現と業績向上のためにやっているというのはスタッフも理解していると思います。」

「目標と目的を明確にされているので、取組みが中途半端になって継続しない理由は、その取組が目標や目的を実現していくためのつながりを感じていないかもしれません。」

「つながりというのは何ですか?」

「例えば、笑顔の接客を掲げていても、笑顔でお客様が増えると思えなければ形だけのものになってしまいます。笑顔という取組みが業績とどんな関係があるのか分からないので、真剣に取組めないものになってしまいます。」

「笑顔でないより笑顔の方がお客様にとって良いのは誰もが分かることだと思うのですが・・・」

「笑顔でお客様にどんな価値が届くと思いますか?」

「笑顔の方が気分がいいですよね。」

「気分が良いというのは、ある価値が届いた結果の気持ちで、笑顔には受容という『受け入れられた』という価値が相手に届きます。存在意義を肯定するものになるので、笑顔はリピートにつながる大事な取組みになります。」

「なるほど。当たり前の笑顔が納得いきました。」

「さらに、その笑顔で届けた価値はスタッフ自身の価値でもあります。自分の届けた価値は自分の魅力になっていき、全員で届けていけばお店の魅力であり会社の魅力になります。」

「今までの取組みが理念や業績向上につながると、スタッフには感じられていなかったので中途半端になっていたのですね。」

「面白いもので、お客様に届ける価値が明確になると可能性を感じるものになります。意味ある取組みだと可能性を感じるからこそ、やらされていたものが『やりたい』というものに変わります。」

「今までの取組みでどんな価値が届けらるかを明確にしていくと、価値にフォーカスした取組みに変えていけそうですね。」




 どんなに良い施策を準備しても、その施策で届ける価値が明確になっていなければ、価値を届けるための施策になりません。

 ましてや、新規→リピート→ファン化という流れをつくるには、そのステップを踏んでいくための価値を準備して取組みにしていく必要があります。

 笑顔という取組みは良いものですが、新規のお客様に対する笑顔と、リピートのお客様に対する笑顔は変える必要があります。


 リピートのお客様にはどちらかというと『微笑み』や『アイコンタクト』が重要で、知ってくれている・分かってくれているという価値を届けます。

 体調を聞いたり、出来事を聞いたりという会話も、興味を持ってくれているという価値を感じるものになります。

 更にファン化していくには、声をかけて意見を伺うなどの取組みをしますが、これは自分を認めてくれているという価値を感じて頂くものになります。

 人として感じる価値を明確にすることで、取組みに意義を感じるものになります。

 商品・サービスによる価値も明確にする必要があり、お客様にとっての価値から考える必要があります。

 その商品によってどんな価値を感じて欲しくなるか?

 そのサービスによってどんな効用という価値が得られるのか?

 価値にフォーカスして考える思考プロセスが定着してくると、自分の行動やお店の施策、会社の取組みに価値を見出すようになります。

 『明るく笑顔で誰よりも先に挨拶をする』という自分ルールを作っている方がいますが、この挨拶だけで組織を明るくする価値を周囲に届けられます。

 部下に対しても先に挨拶をするので、部下には『いつも気にしてくれている』ことや、『大事にしてくれている』という価値が届きます。

 価値にフォーカスした思考が定着化してくると、自分の行動を省みる事もできます。

 自分が届ける価値がそのまま自分の魅力になっていくから、反省することが平気になります。


 企業が選ばれる理由である『価値づくり』は、一発で良いものを生み出すのではなく、価値を感じる可能性に挑戦する量から生み出されます。

 価値にフォーカスした活動をする組織とそうでない組織では、当然ですが時間の経過と共に価値量の差が生まれていきます。

 意義ある仕事と感じる人材と、そうでない人材とでは生み出す価値も異なります。


 人はきっかけさえあれば一瞬にして変わっていきます。

 楽しいことだと感じれば、嫌々やっていたものが一瞬にして楽しいものにも変わります。


 1年も続ければ、組織やお客様に好ましい価値を届ける魅力的な人材が圧倒的に増えていきます。

 活路を拓く人材は挑戦し続ける人ですが、価値を明確にすることで自ら可能性を感じているので、苦しみながら挑戦するのではなく、自信を持った挑戦になっていきます。 




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