第134話『伸びる企業と衰退する企業の違い』


<今日のポイント>

 効率と効果のみを追求した戦略は将来を衰退に導く。未来に向けた新たな価値創造は、顧客に認識されていない非効率の活動によって生み出されるもの。




 お客様と企業が現在認識しているニーズやウォンツを満たす活動は、市場のお客様が増加する成長期や成熟期には有効な手段になります。

 社内でも、効率と効果の高い投資を求めることになり、それが人事評価につながるので働く人も成功事例や確実な成果が上がっているものを自然と選択するようになります。


 この戦略が間違っているわけではありません。

 しかし、この活動だけでは新たな価値を生み出すことはできません。


 新たな価値とは、可能性に挑戦する量と質によって生み出されます。


 お客様がすでに沢山いる状態の取組みとは違い、新たな価値で顧客を生み出す活動というのは、他社の成功事例が無かったり効率・効果が未知の状態です。

 新たな価値の創造は、成長期や成熟期の時代と同じように効率や効果で考え、失敗を許さない組織の風潮の中では、保証の無い『可能性』に対して誰もチャレンジできなくなります。

 業界全体が、新たな価値を創造する可能性に挑戦しなくなれば、業界自体の進歩も発展も生まれなくなり、お客様が価値を感じなくなることから衰退が始まります。


 さらに、効率と効果を追求した戦略は、同時に今現在の非効率なお客様(売上貢献度が低い)を排除する施策になることも多く、自らの戦略でお客様を減らしていることにもなりかねません。

 多くのお金を使ってくれる効率と効果の高い顧客のみを対象にしてしまえば、そのお客様しか業界や自社に残らないのは当然のこととなります。

 そして、市場の顧客数が徐々に下がり始める衰退期を迎えます。


 商売によっては、ターゲットを絞って自社の事業範囲を明確にするという当たり前のことが成り立つものもありますが、自社の商売がどのような特徴を持っているのかを踏まえて、顧客想定を行なう必要があります。


 高級ブランド品でさえ、商品の種類で低価格のものを準備しています。

 バックは30万するが、キーホルダーは3万円で購入できるなど。

 3万円よりも30万のバックの方が利幅が大きかった場合、3万円の商品を無くしてしまうのか?

 入口の商品としての販促効果を考えれば残すべき商品です。




 当たり前のことを書いていますが、社内評価が効率や成果主体だと、成果が見えにくいプロセスのものに働く人は力を入れなくなります。

 よって、新たな価値を生み出すイノベーションの活動と、現在のお客様を満たすマーケティング活動は、同じ『ものさし』で評価するべきではありません。

 新たな価値を生み出し現在のお客様に届けていく活動と、現在のお客様のニーズやウォンツを見たいしていく活動の両輪がなければ、事業の将来は先細りしていきます。




 では、どのように将来を見据えた取組みに変えていくか?

 それは、新たな価値創造という可能性へ挑戦する取組みと、現在のお客様を満たしていく取組みに分けて評価していくことです。

 新たな価値創造の種は、すぐに芽を出さないものが沢山あります。

 これを現在の指標で評価すれば、効果がないものとして捨てられてしまいます。

 何か一つで成果を上げるものを探すのではなく、新たな価値創造は複合して芽が出るように挑戦し続ける必要があるので、小さな成果測定として数字に表れないお客様の反応を直接の評価にしていく必要もあります。




 なんでも簡単に手に入るインスタント時代を生きてきた現代の私たち。

 社内でもすぐに成果を求める風潮があるのは、インスタントに慣れてしまっているからかもしれません。

 将来の強みになっていく新たな可能性のある価値はインスタントでは生み出せません。

 この両輪を分かって取組む企業とそうでない企業とでは、新たな価値を生み出す土台である風土が異なります。

 今の成果を出すための取組みと、今と未来に向けた可能性への取組み。


 自社に足りないものは何かを見つめる視点にもなります。

 伸びる企業は今と未来への価値を創造し続けています。




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