第132話『人材が自然と力を発揮する仕組み』


<今日のポイント>

 業績向上に向けた目標達成スピードや魅力づくりを飛躍的に加速させるには、“やらされ感”を“やらずにいられない”気持ちにする仕組みが鍵。

 人は楽しいことやワクワクすることだと、それがどんなに時間がかかり準備が大変なことでも、何も苦にならずにどんどん行動していきます。

 釣りが好きな人は、まだ暗い時間に起きて釣り場に向かいますが、早起きが大変だなんて思いもしません。

 目標を達成するための行動力というのは、“やらずにいられない”という気持ちになると、上手くいかないことも自然と工夫してどんどん改善していきます。


 “やる気”に関する指導は人材育成で言われていますが、今日のコラムでは“人の当たり前”という視点で、人材の積極性や行動力を高める仕組みについて切り込んでいきます。

 “人の当たり前”とは、『正しいことで人が動くのではなく、心が動かされたり心が躍ることで行動してしまう。正しいことでなくても、心が躍ってしまうことは行動してしまう。』というものです。

「何でも楽しく考えれば楽しくなるなんて言われたりしますが、正直言ってきれいごとにしか聞こえません。みんな現状を打破するために、いろいろ挑戦してきましたが業績は落ちる一方でどんどん士気も下がり、『楽しくやろう』と言っても空回りで・・・・・」

「そうですね。数字が目に見えて上がったりお客様が増える実感があると、達成感も生まれてやりがいを感じるようになり、自然と士気も高まりますが、好ましい成果が見えないと達成感もやりがいも感じないので、活動も停滞してどんどん悪循環のループにハマっていきますね。」

「正に悪循環のループから抜け出せない感じです。みんな頑張っているので楽しく仕事をさせてあげたいし、ここを踏ん張って自分たちの力で好ましい成果を生み出して士気を高めたいのですが。」

 現状を打破し業績向上を目指していくには、人材の力が欠かせません。

 やる気があるときには行動力が高まるし、やる気が無ければ行動しなくなる。

 とにかく行動力が高く積極性がある状態にしなければなりません。

 人材育成には2つのポイントがあります。

 一つは『知識・技術』で、仕事に関する知識や技術を高めること。

 もう一つは、『知識や技術』を活かす『人間力』の部分です。


 人間力には、人に優しい・人を助ける・有難いと思う・努力する・明るい心・主体性・積極性・行動力・決断力というさまざまな魅力があります。

 その中で、今回は『主体性・積極性・行動力』という本来持っている能力を職場でどのように引き出し続けるかが課題です。

 “人の当たり前”という視点で見れば、どんなときに“やりがい”を感じ、“やらずにいられない”状態になるのかが見えてきます。

 仕組みの一つとして、『何の為?』を明確にすることも大切ですが、人の当たり前では、『何の為』という目的では“やりがい”は感じても、“やらずにいられない”や“やりたくてしかたがない”という気持ちに届きません。

 よって、『何の為』に加えて、“どんな根拠があれば、『何の為』という目的が実現可能か?”という根拠を明確にします。


 私たちが物を欲しいと思うときは、欲しくなる動機であり根拠があります。顧客体験価値であれば、価値を感じている状態です。

 価値を感じるから、それを手に入れたときの状態にワクワクしたり、欲しくてたまらないという気持ちが起こります。

 仕事において、お客様が手に入れる価値によって楽しい状態になる目的を達成できる可能性を感じるからこそ自信につながります。

 その時点の心の状態は、活路が拓けた感覚や光が差した感覚になります。

 そして、“早く実施したい!”というやる気を自然と引き出します。

 これが人の当たり前の視点です。


 仕組み化する部分は、目的を実現するための『価値を明確化』することで、その価値によって可能性を感じるものに変えるという点です。

 次に、やりがいを感じながら実施したものでも、どんな成果が生まれているか分からなければ活動は停滞していきます。

 よって、小さな成果を集める方法を仕組み化します。

 サービス業であれば、自分がお客様から言われたお褒めの言葉であったり、お客様が喜んでいた姿などを集めます。

 喜んでいたり、楽しそうにしている状態は、何かしらの価値を感じてくれています。そして、どんな小さなことでもリピートにつながる成果ということで、働く人にフィードバックして共有すると仕事を通じたお役立ちの実感が得られます。

 これを小さな成功体験として、勝ちぐせマインドを高めていきます。

 勝ちぐせマインドが高まると、意図や意味が分からなくても『やってみよう』という本来の積極性が勝手に引き出されるようになります。

 このような仕組みが組織にあるのが前提で、この次の段階で個々の自己改革訓練が生きてきます。

 やらされ感があるものを、自己決意の言葉に変えることで自分がやると決めたことにするマインドや、問題解決の基本である自己責任で物事を捉える習慣など、これも組織でルール作りをして一緒にやれば、前向きな姿勢で愚痴や言い訳の無い組織風土に変わっていきます。

 “人の当たり前”という視点で、働く人が楽しくなる動機づけ(価値の明確化)が自然とやる気を引き出す方法になります。

 とくに、困難な状況の時に人の力を引き出す方法が無ければ、現状打破も未来創造も目標達成も何もできなくなります。




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