第131話『埋もれた価値の明確化で復活を果たす』


<今日のポイント>

 埋もれた商品を価値ある商品に変えるには、商品の価値をお客様が体験することから見直し価値を明確にすること。

 爆発的には売れていないが、一部のファンに気に入られている商品やサービスがあります。

 そのような商品やサービスを好む人たちは、その人たちが特別だからしょうか?


 決してそうではありません。


 それは、そのお客様が自ら価値を見出して価値あるモノという認識を持っているからです。

 商品やサービスの機能が価値では無く、お客様にとってどうのような効果や効能、そしてメリットが得られるかが価値というものです。


 商品やサービスは、お客様が欲しくなる動機を伝えなければ、買ったり利用して頂けません。

 欲しくなる動機はお客様の価値であり、その価値を知らない人に伝えるからこそ価値認識により購入や利用に結びつきます。

 ある小さなスロット専門店が、お客様の体験する価値によって集客を伸ばしています。

「小さなお店では新しい台も大型のお店より買えないし、うちのお店に入っている台は近隣他店も入っているので差別化がとても難しいです。さらに2フロアでお店も狭く通路も狭いので快適な環境も提供できていません。」

「スロット台や環境という提供しているモノ視点で考えてしまうと手詰まりですね。」

「そんな明るく言わないで下さい!私たちは深刻な状況なんですから・・・・熱くなってしまいすみません。」

「いえいえ、何とかしようというその熱くなる気持ちがあれば、打開策も見えてくるというものです。根性で打開策を見出すのでなく、視点を変えて考えてみましょう。その前に、お客様が一番増える時間帯とどんなお客様か教えて下さい。そしてそのお客様はどんな台で遊ばれますか?」

「一番増えるのは19時以降で、サラリーマンの方が多いです。けど、それは他店も同じなのですが・・・。それと、当店ではAタイプという分かりやすく低投資でも遊びやすい台で遊技する方が多いです。他店のお客様は最新台などのけっこう激しい台を打たれます。」

「おっ!早くも大きなヒントが出てきましたね。」

「打つ台のタイプが違うという点ですか?当店では1Fに分かりやすく低投資で遊べる台を置いているので、入ってきたお客様が遊びやすいだけだと思うのですが・・・」

「それはお客様のシチュエーションによる価値があるからです。他店では2Fと3Fにスロットが置いてあり、わざわざ階段を上がらなければならない。こちらは気軽に立ち寄れる。その時、お客様が感じている価値というお客様視点で価値を掘り下げててみましょう。その前に、サラリーマンの方の生活背景を先に想像してみましょうか?」

「そうですね~、30代から40代の方が多くて、その年齢だと結婚してお子様もいるかもしれません。」

「いいですね~。そうするとお小遣い制で自由なお金は決して多くないかもしれませんね。奥さんと子供が家で待っているのですが、仕事も徐々に立場が上がってストレスもあり、疲れて帰っても子供の相手もしなければならないかもということも考えられますね。」

「お小遣いが少ない、仕事で疲れたが家に帰って更に疲れる・・・・どこにお客様の価値が見いだせるのですか?」

「そもそも長時間は遊べないが、家に帰る前に仕事の疲れを緩和する気晴らしができるというのは価値があります。また、少ないお小遣いでも『出るかも』というワクワクする気持ちも価値につながります。さらに、1Fなので気軽にフラッと立ち寄れる。」

「そんなことでいいんですか?」

「恐らく、来て頂いているお客様は何かしらの価値を見出しているからという結果です。しかし、どんな価値が体験できるかは、言われなければ感じないものですよ。コンビニで『欲しい』と思う瞬間は、何かしらの価値を感じるからですよね。ということで、他店に無い価値を表現してアピールしてみましょう!」

 『階段を昇らなくてもAタイプが打てるお店』というポスターを掲げました。

 この取組みで、夜でも埋まらなかったコーナーがピーク時には徐々に埋まるようになっていきました。

 当然、来店したお客様がリピートしたくなる価値も加えて地道に活動されていますが、埋もれた商品といのは、埋もれさせているのはお店側だったという結果を確認できるものです。

 小さな床屋さんでは、中間の価格では安売りのお店にお客様が流れ、おしゃれな髪形を望む人は美容室に行ってしまという中でデザインカットを売りにして顧客単価をアップさせ、さらに固定客をつかんだケースもあります。

 こちらも、お客様のシチュエーションから考え、お客様にとっての価値を明確にしたから為し得たものです。


 小さなパチンコ店では、古い台の特徴と、お客様の遊び方の価値を明確にして台ごとにファンづくりをしてリピートのお客様を増やしているケースもあります。

 価値というのは黙っていて伝わるものではありません。

 商売の根幹はお役立ちであり、お役立ちは価値によって成されるものです。

 お客様にとって、どんなコトが価値になるのかというシチュエーションからのコト視点で見直すと、オリジナルの価値提供で選ばれることが可能になります。

 数ある中から選ばれる存在になっていくには、選ばれるための価値が必要です。




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