第124話『蒔いた種の成果しか生まれない』


 好ましい成果や結果という目標は、お客様に対するお役立ちで果たしていくものです。

 数値目標を決めた後、すぐに『何をやって?』と考えがちですが、ここに大きな罠が潜んでいます。

 ベテランになればなるほど、過去の経験や成功パターンなどが豊富なので、〇〇をやったら△△になるという仮説を持っています。

 しかし、競合関係や市場の状況、時代の変化と共に以前は上手くいったパターンや方法が、効果が薄れたり上手くいかなくなったりということが多々あります。

 過去の成功体験で探るべきことは、“その時はお客様にどんな種を蒔き、どんな花が咲いたのか”というものです。

 過去の失敗で探るべきことも同様です。


 経験値が豊富になるほど実践における結果の蓄積量が多いので、『やること⇒成果』の仮説力が高いのですが、事業はお客様へのお役立ちという基本で考えれば、『やること⇒価値⇒成果』という価値の追求を忘れてはなりません。

 この“価値”という種がお客様に響き、お客様の心に花が咲けば、集客やリピートして頂く動機になります。

 お客様にとっての、効果・効用・ベネフィット・欲求・・・・につながる価値という種を蒔くことにフォーカスしなければ、それを届ける為に“やること”は明確になりません。

「何の為にやるのか?というのが、自社の場合は数字目標になっていたんですね。自社の目標を達成するというのは、お客様に価値を届けて認めて頂いた結果であって、目的はやはり『お客様へのお役立ち』という当たり前のことなのに・・・」

「人は、ある価値を感じたり手に入れた結果、嬉しい・楽しい・助かった・有難いなどの気持ちになります。私たちは価値という種を蒔くことで、そのような気持ちの花をお客様の心に咲かせるというのがお役立ちというものです。」

「過去の成功パターンが通用しないというのは、やることにフォーカスしていると、どんな価値という種を蒔いているか分からずに、闇雲にやっているだけということですね。」

「そうなります。どんな価値を届けるとリピートの可能性が高まるかという『価値』にフォーカスしなければ、お役立ちという目的が無い中で施策を決めることになります。さらに、働く人も可能性を感じないものになるので活動そのものも続かないものになります。」

「確かに価値を明確にして施策を考えていくと、上手く行きそうな可能性というか、自分たちの中でも期待が高まる感覚になりました。価値を明確にしていないときは、『これで上手く行くのかな~』という疑問があったのが正直な気持ちです。」


 施策によってどんな種が蒔かれるのか分からなくても、ある行動をすれば何かしらの種が蒔かれます。

 何もやらないよりも行動することによって蒔かれる種があるので、まずはやるべきだと思いますが、その施策によってどんな種を蒔くことができるかということを検証する必要があります。

 どんな価値を届けるための施策なのかという社内共有が無ければ、それを伝える方法もやり方も効果的なものになりません。

 『お役立ち=価値提供』から数値結果が生まれていきます。

 『お役立ち=価値提供』の内容が、ビジョンや理念の実現につながっていきます。


「価値を明らかにしていくことで、自分たちの仕事が理念の実現につながるものだと実感できました。」

「素晴らしい理念をお持ちの企業様が多いのです。いつも拝見させて頂き、その理念が実現されていけば、本当に世の中が良くなると思えるものが沢山あります。」

「『コンセプト⇒価値⇒体験⇒実施内容』という4ステップは、理念実現の可能性も感じさせてくれました。」

「価値が明らかになることで、可能性を感じながら自信を持って実施することができるし、その価値が理念につながるという実感も生まれますね。そこで初めて理念が生きてくるものになります。」


 価値にフォーカスすることで、働く人が自分の役割を認識し、その価値によってお客様が喜んでくださる可能性を感じるからこそ、自信を持って取組めるものになります。

 可能性を感じるからこそ、価値を届ける活動も活発になり継続されていく。

 それが数値目標の達成を目指していく価値による活動というものです。

 〇〇の施策でどんな価値を届けているか?という質問を社内でしてみると、答えられなかったり、答えがバラバラだったりすることがあります。

 これでは価値という種を蒔くことができないので、施策や仕事によってどんな価値を届けているのかを話し合う機会を作ることから始めるのも、価値にフォーカスした組織にしていく第一歩になります。




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