第122話『再生への新たなスタート』



 栄枯盛衰の理というのは、昔も今も変わらないものです。

 春夏秋冬の四季においても、『芽生え・育ち・実り・枯れる』という同じ原理であり、これは人間社会においても同様の原理が働いています。

 植物の場合は、枯れる段階で次の種をしっかり蒔いていますが、人間社会はどうでしょうか?


 初めは貧しい国が、国民を豊かにして強い国を作ろうと志し、一致団結して志を目指していく“創業垂統(そうぎょうすいとう)”の時期があります。

 これは何もないところからスタートして、永続していくようにするので一致団結のエネルギーが必要になります。

 ある程度、軌道に乗ってくると“継体守文(けいたいしゅぶん)”の段階に入り、既存のシステムを維持しながら成果を守り高めていきますが、徐々に変化が無くなり惰性的になっていきます。

 こうなってくると組織が硬直しだして、“因循姑息(いんじゅんこそく)”の段階に入り、当初の志を忘れて自己保身の事なかれ主義が蔓延してきます。企業でいうなら、昔から言われている大企業病や官僚組織の既得権益に固執する組織になっていきます。

 ここまでの状況になると、変化させようにも反対勢力が力を持っている状態で、企業であれば本来の目的であるお客様へのお役立ちを忘れた状態となります。

 そして、お客様や国民を忘れた企業や国は、“衰乱滅亡(すいらんめつぼう)”という自家崩壊の道を辿ります。


 このような流れというのは、抗うことができないのか?

 いえいえ、決してそうではありません。(ただし、創業垂統のような大きなエネルギーが必要なのは確かなことです)

 植物のように、次の種を蒔くことは可能です。


 企業は新たな価値創造を続けていかなければ、時代の変化についていくことが出来なくなります。

 業界全体がある程度の歴史を持つと、スタート期はお客様に『楽しんでもらう』『喜んでもらう』ことが業界全体の暗黙の目標だったのが、成長期などを迎えて会社が大きくなったり業界の規模が大きくなると、徐々に本来の目的を忘れ始めます。

 そして、成熟前期から効率や効果主義が蔓延しだして、自分たちが『いかに効率よく儲けるか』『小さなリスクで大きな効果を生み出すには』という、自分勝手な業界になりお客様を忘れた組織になりだします。

 そこで本来の目的に気付けば良いのですが、一度お客様を忘れた業界はこの時点で手遅れになっていきます。

 そして、成熟後期から衰退期へ入っていきますが、すでに長い年月をお客様を無視した業界ということになっていれば、お客様からも無視されるのは当然のこと。

 こうなると・・・・滅びの道を突き進みます。


 企業においては、どの段階にあったとしても、この流れに抗うことは可能です。

 次の種を自社が蒔くというものです。

 もちろん、すべての会社にとって有効な方法があるわけではなく、それぞれの会社の財務状況や人材の状況によりますが、昔から言われている“創業垂統~衰乱滅亡”の流れを全員で共有し、新たな目標を掲げて進むことが抗う取組みになります。

 当たり前のことを書いていますが、企業の根本的な役割はお客様へのお役立ちであり、それを今からでも追及していくというものです。

 目標と目的を明確にするからこそ、初めて行動することができます。

 上りたい山がどれか分からないのに、行動することはできません。

 更に、お客様にとっての価値を明確にするからこそ、自社においての成果と計画が立てられるというものです。


 常に、創業垂統を気持ちを忘れない方法は、どの時代にも常に企業の根本的な役割であるお役立ちを追求することであり、お役立ちとはお客様にとっての価値追求です。

 成長期や成熟期というのは、自社の商売によるアクションの結果が事例として沢山あるので、それがどのような価値を提供しているものなのか分からなくなっていきます。

 価値は分からないけど、こうすればこのような結果が出るというものです。

 これでは、価値提供の目標が無いので、時代の変化ともにお客様の価値が変化していることに気付けるわけがありません。


 再生への新たなスタートという志があるなら、気付いたときがスタートになります。

 気付いたときから種を蒔きはじめる。種を蒔き、育てなければ実らないという原理原則です。

 手遅れかどうかは、挑戦した後にしか分かりません。

 お客様にとっての価値追求と、価値提供の実現。


 多くの国内産業が人口減の真っ只中にあります。

 そんな中でも、未来を描く人たちが、未来を描く企業が、未来を創っていくということも当たり前のことを当たり前にやっていく先に生み出されます。 




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