第115話『どんな価値という種を蒔いているか』



「普段は言葉にしていなくて感じている価値を言葉にする作業は大変ですね。」

「そうです。嬉しいとか楽しいという気持ちになる時には、必ず私たちの中でそのような気持ちに至る価値や刺激を感じているプロセスがあるのですが、最近は“やばい”という一言で片付けてしまう表現もありますね。」

「そうそう!“やばい”という気持ちの表現も、美味しくて“やばい”のか、予想以上で“やばい”のか、本当に怒られて“やばい”のか・・・・・そのプロセスもいろいろですね。」

「お客様はそのような捉え方で良いのですが、提供している私たちがどんな価値を提供して嬉しいや楽しい、もしくは“やばい”という気持ちになってもらうかという価値が明確で無ければ、社内で提供する価値を共有することもできません。モノ・サービスというのは『価値』を届けるツールであるにもかかわらず、その届ける『価値』が企業側として明確になっていなければ届けようがないのが当たり前です。」

「これがいつも話される『当たり前のことを当たり前』に実施するということですね。」

「企業の目的は、お客様や社会へのお役立ちであり、お役立ちとは価値提供であるにもかかわらず、当たり前の価値提供が共有されていない状況で、過去の施策による実績でやることを決めてしまうということが主体になっているケースがとても多いです。成長期や成熟前期のお客様が増えているときや多い状況を通ってきた業界や業種は、施策による経験によって数字の結果が生み出せました。そこには自分たちが価値を理解していなくてもお客様が価値を認識しているという現象があります。新たな価値を生み出すには、自分たちが価値を明確にして認識し、それをお客様に意図的に届けていく必要があります。それが本来の当たり前のこと。」

「だからこそ、“やばい”という一言で終わらせるのではなく、右脳で感じているものを左脳で言語化する習慣が必要なんですね。」

「初めは大変だと思いますが、繰り返すことで価値のパターンが増えて蓄積されるので応用しやすくなるのと、価値を自ら考える習慣ができれば、一人一人が自らの行動によって価値を生み出す量も増えていきます。」


 どんな花を咲かせたいのか?

 その花を咲かせるには、その花の種を蒔く必要があります。

 種(価値)によって、花の種類(お客様の気持ち)が異なります。

 種によって育て方が違うし、水の量も日の当て方も違うわけですから、やみくもに種を蒔いても花は咲きません。

 たまたま咲く花もあるかもしれませんが、多くの種が台無しになっている可能性も有ります。


 これを仕事として考えると、目指す花を咲かせるというのが価値を感じたお客様の気持ちであり、目指す花を咲かすには、その花の種(価値)を蒔いて育てる(実行内容)必要があります。


 同じ考え方で個人にも応用できます。

 周囲に笑顔という花を咲かせるには、笑顔になる種を蒔くことです。

 その人がいるだけで周囲に笑顔が広がるという影響力が発揮できれば、笑顔の種を蒔く人は価値を周囲に届けているので魅力の積み重ねができます。

 居ると頼りになるという花を周囲の人の心に咲かせる人は、頼りにされる種を蒔いています。

 時間を守る・見ていないところでも規律を守る・何でも挑戦する・積極的・・・・いろんな種を蒔いているからこそ、周囲の人の心に『頼りになる』という花が咲きます。

 これも人の魅力になっていきます。

 企業が魅力的になるのも、個人が魅力的になるのも考え方は同じというものです。


「これからは“やばい”で終わらせるのは禁止ですね。」

「普段の日常や実体験で“やばい”という気持ちになったら、自分自身で振り返って“やばい”に至った過程を言葉にする練習をすることが良いですね。誰でもちょっとした嬉しいというのは日常であるものなので、振り返って自分にとってどんな価値を感じたのかを言葉にしてみる。もう1つ、不愉快な気持ちになった時もそのマイナスの価値を言葉にしてみる。これをやると自らの行動を省みて修正することも可能になっていきます。誰だって自分の魅力を下げたいと思う人はいませんから。」

「知らないうちに自分の価値を下げている行動に気付けるというものですね。」

「日常から同じ考え方で自己の魅力を高めていくことが可能になるので、初めから“モテる人”になれるとお伝えしてきました。(笑)」


 自分が咲かせたい花があるなら、その花の種を蒔くことも当たり前のこと。

 良い行動だと言われるものは、どんな種を蒔きどんな花を咲かせるのかを振り返り、それが明確になれば自らが価値ある行動をとっているという確信に変わります。


 「ハイ!」という明るい返事で蒔かれる種と咲く花は?

 笑顔はどんな種を蒔きどんな花を咲かせるか?

 笑顔でいると得をすると言われますが、これはちゃんとした価値と理由があります。

 知っている人は習慣化して良い運を引き込むことが出来るのも、クジ引きで当たる運とは違うからです。




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