第114話『真似されない魅力を生み出すには』



「自社や自店において個性を磨くべきだと耳にしたりするのですが、何か違う気がします。そんなことは昔から言われていて、今さらだと思う部分と、個性を出しても真似されれば同質化されてしまいます。現に、私たちの業界の設備や接客サービスなど、20年前に比べたらはるかに進化していて個性的になってもすぐに同質化されながら切磋琢磨してきました。」

「そうですね。ちょっと違う言葉を使うと受けが良かったりするので、そのような言葉が広がったりするのですが、お客様にとっての視点から常に考える必要があると思います。お客様から見た時に、それが自分にとって他社との違いを感じる好ましい差として区別できるものになっているかと、他社とは違う価値を手に入れられているかという点で。個性という言葉は企業の自分視点で、差別化というのはお客様視点です。目指すものが間違っていなければ、社内の共通言語としての言葉の意味共有の方が大切です。」

「モノやサービス・設備などで違いを出せないから人で違いを生み出すとういのもあるのですが・・・・。」

「それは正しいとか正しくないというものではありません。そもそも人が手掛けていくものなので、人の教育が根底にあるのは当然のことであり、本来はどちらも両輪で取組むべきことです。ただし、人の違いを生み出すことが接客などの表面的なものだとしたらこれまでも為されてきているものですから違いはなかなか生み出せないのではないでしょうか。もちろんやるべきことではありますが。」

「そうなると・・・・やはり何をやって自社の魅力を高めていけばいいか分からないというのが正直なところでして・・・・」

「モノ視点であればそうなっていきますが、コト視点であれば同じことをしていたとしても違いを生み出すことは可能になっていきます。お客様にどんな体験でどんな価値を届けたいのかというは、モノやサービスを通じて提供する価値にフォーカスするものです。表向きは同じことをしていたとしても、届ける価値は真似できないものになります。表向きの挨拶や丁寧な会話なのか、お客様にとっての価値を感じてもらう挨拶や会話なのかで、当然ですがお客様の体験や価値も違うものになります。」


 取組みや施策というのは、業績につなげる為のものになりますが、それらによってどのような価値を届けて業績につなげるのかという『価値』にフォーカスしなければ、やっていることで成果が上がれば形は真似されてしまいます。

 商売はお客様へのお役立ちであり、お役立ちとは価値提供です。

 しっかりと価値にフォーカスしていれば、やっている表面的なことは真似されても、中身はなかなか真似できないものです。


 人の魅力も同じで、魅力的な人は何かしらの価値によって周囲に好ましい影響を及ぼします。

 この人といると安心する・とても頼りになる・信頼できる・気持ちがすっきりする・・・・・・さまざまな魅力を感じるのは、何かしらの価値を自然と広げているからです。

 そのような人の言葉や話しの内容を真似たとしても、簡単に自分も魅力的になるわけではありません。

 どんなお役立ちをするのかという『的』が魅力的な人の心には存在して、その『的』を学ばなければ一部分の真似をして終わってしまいます。別の場面で応用もできません。


 企業も同じで、どんな価値を届けるかが明確になっていれば、あらゆる場面でその価値を届けるために応用していけます。

 例えば、お客様が自分を『大切にしてくれている』と感じる価値を届けることが社内で共有されていれば、それを目指した取り組みに自らが応用していけます。


 当たり前のように使われている魅力という言葉。人を惹きつける要素というものですが、これはその人が何かしらの価値を生み出しているから魅力的に感じるというものです。

 当たり前のように使われている価値という言葉。価値というものは、表面的なメリットだけでなく言葉にされていないが明らかに価値を感じるものまでとても幅が広いです。


 ニーズ(必要性)やウォンツ(欲求)も価値になるし、負の解消(これも欲求です)も価値になります。

 さらに、直接的なメリットだけでなく、自分にとって得になる情報も価値になります。

 そして、潜在的に求めているが自分の中で言葉になっていない価値も人は感じます。

 それらを読み解き、仮説を立てて挑戦していくときに、価値を生み出し提供する打率が高まっていきます。


 価値というものを当たり前の言葉として捉えてしまうと深く考えるキッカケを失ってしまいますので、普段から『嬉しい・楽しい・喜び・感動・気分が良い・やる気が高まる・・・・』という気持ちになった時、どんな価値を感じたかを振り返って言葉にしていくことをやっていると、自然と価値視点が養われていきます。


「今日のお店は良かったね~」

 そのような言葉が出たら、どんな価値を感じて良かったという気持ちになったかを振り返るチャンスです。




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