第113話『全体像と現在の認識』



 「戦略という言葉はいろんなところで使われますね。今回も『顧客体験価値』創造戦略という戦略ですが、そもそも戦略とはどんな意味なんですか?」

 「私も以前、疑問に思いました。なんでも戦略ってついているので、なんだかよく分からないものになってますよね。基本的には、『目標達成の為のシナリオ』ということになります。今回の取組みであれば、業績向上を果たしていく為に、お客様が体験することに価値を創造して、集客やリピート・顧客深化を図ることと、顧客接点毎の流れを体験価値で作っていくシナリオづくりになります。」

 「よく人事戦略とか商品戦略とか営業戦略とか・・・・何にでも戦略とついていますが、これはどのように解釈すればいいのですか?会社全体の戦略があるので、人事・商品・営業というものは、戦術レベルのことになるのではないでしょうか?」

 「わたしも同じように思いましたが、それぞれが目標達成のシナリオづくりと捉えれば、会社全体の大きな戦略から部分的な戦略までさまざまです。それぞれの目標達成のシナリオが、戦術という具体的な方法に落し込まれる必要があるので、大きな枠組みや小さな枠組みによって使い分ければいいと思います。」


 企業全体の方向づけとそれを達成していくためのシナリオが根幹の戦略になります。

 複数店舗で運営する企業であれば、A店を強化するために他の店舗の利益を活用することもあり、この場合は単独店舗での戦略は全体の戦略の下位にあたるので、全体戦略を優先させる必要があります。

 店舗型ビジネスの場合は、企業全体の戦略があり、それぞれの店舗戦略があるという当たり前のことですので、枠組みによって戦略が存在してもおかしなことではありません。


 「戦略は日々考えているのですが、自分たちの戦略がどこか不足している気がします。しかし、何が不足しているか分からないので、戦略が本当に目標達成のシナリオとして良いのか不安があります。」

 「今後の取組みの中でご説明していきますが、『集客⇒リピート⇒顧客深化』の中心的な活動と、お店を好ましい印象で知って頂くというステップから顧客維持までの範囲まで広げた顧客接点の考え方をお伝えします。お話を聞いた限りでは、見込のお客様にアプローチする施策は行っているようですが、“知って頂く”というステップがまったくありません。顧客接点の全体像が営業活動の全体像になるので、現在の活動や施策を落し込んでいくと、どこが不足しているのかや、どこが上手く流れていないのかという現在の認識が可能になります。」

 「全体像のイメージが無い中では、施策や取組みがどこの部分を担っていて、何を目標にするか見えませんね。よって、先ずは全体像を把握して取組みを落し込んで確認していくという感じですね。なんだか数字を上げていく可能性とイメージが湧いてきました。」

 「まずは、明確になっていないものを全体像の中に落し込んで、不足しているところや効果が出ているものなども含めて見える化していきましょう。」


 お店の数が少なくお客様が多いという『供給<需要』の時には、お客様がお店を探してくれますが、お店の数が多くなりお客様の数を超えるころから、『供給>需要』に逆転して、更にお客様の数が減少すれば意識的に知って頂き、活動によって選ばれるという意図的な施策が必要になります。

 この段階になると、切磋琢磨の結果によって他社のレベルも上がっています。ハイレベルの中で選ばれるためには、出来る限り緻密にコツコツと施策を準備して全員で取組む必要があります。

 大ざっぱな一発で何とかなるというものは、お客様の絶対数が多い時代の方法ということになります。


 その為にも、営業活動の全体像を組織で共有して、全体像の流れを把握しながら自分たちの担う部分の仕事がどのような意味を持っているのかと重要性を把握して、その場面場面で価値提供をしていく必要があります。

 意図や意味も分からず役割をこなす人と、小さな部分の仕事だったとしても重要性と何を目指す仕事なのかという明確な意図を持った人とでは、取組む姿勢や生み出されるものが全く違ったものになります。


 全員で全体像を把握して、それぞれの場面で自らの役割を果たしていく仕事の仕方でなければ、小さなチャンスは活かせなくなります。

 小さなチャンスを活かして、すべての活動が価値を提供するという目的に向かって一致団結して取組むことが、営業活動の強化であり現場力の強化というものになります。


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