第107話『現場力を高めるには?』



 「いろんな研修を実施してきたのですが、3日間くらいは良くてもどうしても元に戻ってしまうんですよ。」

 「それは、一時的にやる気が高まるが時間が経つと元に戻ってしまうということでしょうか?」

 「そうです。現場力というか働く人の力というか・・・・やる気があれば主体性を持って積極的にやる雰囲気が見えるのですが、定期的に見ているとやはり元に戻ってしまうのです。」

 「やる気というのは大切な要素ですが、やる気を出してやるものは、やる気が無いとやれないものになってしまいます。自然とやりがいが生まれるものにしていく仕組みが必要になります。」


 コンサルティングでお手伝いさせて頂いていると、人材の“自ら考え行動する”という主体性や自主性の課題が浮上します。

 そもそも、人には主体性が無いのが当たり前かというと、すべての人が主体性を持っています。

 主体性が欠けているという前提で教育をしようとするから、まずはやる気を高めることが出発点になりがちですが、ここが根本的なことを覆い隠す思い込みになってしまいます。


 『顧客体験価値』創造戦略(コト生み)のコンサルティングも、人材が生み出すものなので動かなければ何も生まれないし、考えなければ新しいアイデアも生まれません。

 新たな価値を生み出すためには、主体性を発揮して頂く必要がありますが、普通の人は意味が分からず主体性を発揮することはありません。

 小さな勝ちぐせを積み重ねて、勝ちぐせ思考になっている人は意味が分からなくてもやった先に意味を見出すことを知っているので主体性を発揮しますが、普通はそうではありません。


 「どうして定着率が高まるのですか?」

 「必要なことなのでカリキュラムに入れていますが、特別なことではありません。人は“必要とされている”と感じた時に、仕事に対する“やりがい”につながるものです。更に、その仕事がどれだけ重要な役割なのかを理解するのと同時に、自らの仕事を高める方法を持っていることで更にやりがいが生まれます。」

 「だから価値から考える方法だけでなく、全体像と部分、仕事を通じた成果測定、自分の仕事がどこの役割を担っているのかという話をされるのですね。」

 「そうです。ただ単に居心地が良くて定着率が高まっても仕方ありません。企業は世の中に対するお役立ちが目的であるので、新たな価値を生み出し続ける人材の定着率向上が、人材の累積経験値向上にもつながり、更に価値を生み出すレベルが上がっていくことが目標になります。」

 「そんな人材が増えれば、自然と現場力も高まっている状態になるイメージが湧きますね。」

 「その為には、人が当たり前に感じる疑問を仕組みによって解消する必要があります。自分の役割が何に繋がっているのか?自分の仕事が役に立っているのか?・・・・・・などなど。」

 「フィードバックの仕組みや企業活動の全体像などを新入社員にまで伝えても分からないのではないかと、疑問に思うカリキュラムもあったのですが、そんな大切な意味があったのですね。」

 「大切なのは、自分が必要とされている役割と全体像を知ることなので、理解しようがしまいが知っておく必要があります。」


 各世代が生きてきた時代背景によって身についてしまっている欲求ポイントが異なります。

 不安定な社会の中で、疲れたカッコよくない大人を見てきたりすると、安心を求める気持ちが強くなります。

 私の場合は、社会に出た時にバブル世代の人たちがいろんなブランド物を身につけていたので、物に対する憧れもありました。

 時代背景によって影響を受けるので、私たちが刺激される欲求を強要してもやる気は生まれません。


 現場力を高めるには、時代背景とは関係ない根本的に人間が持っている『本質的要素』を仕事を通じて高めることと、実感する仕組み、そして企業の存在意義であるお役立ちを生み出す方法が一体となることを目指す必要があります。


 ちなみに、『顧客体験価値』創造戦略(コト生み)では“やる気”を高めるなどの話は一切しませんが、自然とやりがいを感じて主体性を発揮するスタッフに変化しております。

 顧客満足・会社満足・従業員満足が三位一体になる考え方と仕組みがあるかをチェックしてみると、どこがボトルネックになっているか見えてくると思います。


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